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第2楽章のティンパニはかなり衝撃的でした【『近衛版第九』を聴く】 [音楽]

きのうはこちらの演奏会を聴きました。
(またも身内が出演していたので…。)

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近衛樂友会オーケストラ 第九特別演奏会
日時:2017年2月11日(土・祝)14:00開演
会場:東京芸術劇場コンサートホール(東京・池袋)
指揮:中濱圭
独唱:増田のり子(ソプラノ)
   山口克枝(アルト)
   鈴木准(テノール)
   萩原潤(バリトン)
曲目:近衛秀健「平成の春」(マーチ集「平成の四季」より)
   同 「平成の庭」(世界初演)
   ベートーヴェン 交響曲第9番ニ短調「合唱付き」(近衛秀麿編曲版)
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img_近衛第九201702.jpg
近衛秀麿氏といえば、1898年「五摂家」筆頭の近衛家に生まれ、山田耕筰に師事したりベルリンに留学するなどの経歴を持っていて、日本のクラシック音楽やオーケストラの黎明時代に足跡を残したことで知られています。
このオケは、その近衛氏の作品普及などを目標に結成されたとのこと。
東京には本当にいろんなアマオケがありますね。

さて、きのうの演奏会。
最初は「マーチらしいマーチ」で音符が多め。
私の席からは「打楽器の音の合間に金管楽器の音が聞こえる」という感じでした。
2曲目は高円宮さまのために書かれたものの、同殿下逝去のために演奏されず、きのうが初演だったとのこと。
穏やかな印象の曲でした。

そして、後半は「近衛版第九」
プログラムには「編曲版」とされていますが、曲の『骨格』をいじっているわけではなく、オーケストレーション(楽器の使い方)の変更が主要な違い。
木管楽器が各4本、ホルンが6本などオリジナルより増やされえているほか、ティンパニやトロンボーンなど本来は楽譜にない音符を演奏する形になっています。

トロンボーンはほとんど違和感がなかったんですが、ホルンの吹くところが増えているのはかなり変な感じ。
そして、一番衝撃的だったのは第2楽章のティンパニです。
この曲、もちろん通常は1人で2台のティンパニを叩くわけですが、2人いました。
第2楽章はオリジナルではF(ファ)のオクターブなんですが、音楽はニ短調。
その主音と属音のD(レ)とA(ラ)の音を2人目の奏者が叩いてました。
時には2人同時に叩くこともあって、かなりの違和感でした。

考えてみれば、19世紀後半から20世紀中ごろにかけては、いろんな作曲家の曲に「手を加える」ことは普通に行われていました。
「マーラー版の誰それの交響曲」なんていうのもありますし、子どものころ聞いた録音には、オリジナルにない楽器や音符を加えた演奏が珍しくなかったような気がします。
この「近衛版」もそうしたものの一種だと思えばいいんでしょうね。

まあ、「珍しいものを聞いた」ということで…。
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