「英語の帝国」「イエスの生涯」「韓めし政治学」「天才と発達障害」=読み終わった本(2019.07) [読書]
「読み終わった本」リスト(備忘録)、2019年7月分です。
▼読み終わった本
*「英語の帝国」
平田雅博・著、講談社選書メチエ
ブリテン島の一部でであるイングランド(England)の言葉だった「英語」(English)が、どのようにほかの地域、そして世界で使われるようになったか、その歴史を説いた本。
興味深かったことの一つが、明治期に外交官から初代の文部大臣となった森有礼の「日本語廃止・英語採用」論が、実は「簡易英語採用論」だったとの記述。
森は、日本語のローマ字表記の導入を主張。
さらに、当時の日本語が貧弱であるがゆえに、語彙などが豊富なヨーロッパの言語を採用するべきであるとしたうえ、英語は不規則動詞が多いなどの問題があるため、これらを簡略化した「簡易英語」を採用すべきではないかとの書簡を、アメリカ・エール大学の言語学者、ウィリアム・ホイットニーに送ったということ。
しかし、これに対するホイットニーの返答が否定的だったため、その後はローマ字化、「簡易英語」採用は主張しておらず、この本の著者、平田雅博氏によると「『単純な日本語の廃止』というより、『日本の話し言葉はこのままでは使われなくなる恐れがあるので何とかしたい』との表明」だったということになります。
「森有礼=日本語廃止・英語採用論」という通説がありますが、よく検討するとそうではなかったということですね。
とても勉強になる本でした。
▼読み終わった本
*「イエスの生涯」
ジェラール・ベシエール著、小河陽・監修、創元社「知の再発見」双書
図版がたくさん入ったフランス人聖職者の本。
基礎知識のない当方にとっては、詳しすぎて難しい本でした。
▼読み終わった本
*「韓めし政治学」
黒田勝弘・著、角川新書
先日「韓国を食べる」を読んだばかりですが、同じ著者による韓国の食に関する本。
今回は政治がらみの切り口です。
折しも、日韓関係は最悪と言っていい状態ですが、政治以外の分野では状況が悪化しないよう祈るばかりです。
▼読み終わった本
*「天才と発達障害」
岩波明・著、文春新書
これはとても面白い本でした。
帯には芥川龍之介、アインシュタイン、南方熊楠、モーツァルトの写真とともに、「大胆、反抗、過剰集中」の文字が。
凡人にはない能力を発揮する一部の人たち(要するに「天才」)は、いろいろと違った面を持っているのでしょうが、その能力を発揮するには「空気を読む」必要はないし、普通の人間としては無視できないさまざまな事柄を無視して「集中」することが必要なんだと思います。
▼読み終わった本
*「英語の帝国」
平田雅博・著、講談社選書メチエ
ブリテン島の一部でであるイングランド(England)の言葉だった「英語」(English)が、どのようにほかの地域、そして世界で使われるようになったか、その歴史を説いた本。
興味深かったことの一つが、明治期に外交官から初代の文部大臣となった森有礼の「日本語廃止・英語採用」論が、実は「簡易英語採用論」だったとの記述。
森は、日本語のローマ字表記の導入を主張。
さらに、当時の日本語が貧弱であるがゆえに、語彙などが豊富なヨーロッパの言語を採用するべきであるとしたうえ、英語は不規則動詞が多いなどの問題があるため、これらを簡略化した「簡易英語」を採用すべきではないかとの書簡を、アメリカ・エール大学の言語学者、ウィリアム・ホイットニーに送ったということ。
しかし、これに対するホイットニーの返答が否定的だったため、その後はローマ字化、「簡易英語」採用は主張しておらず、この本の著者、平田雅博氏によると「『単純な日本語の廃止』というより、『日本の話し言葉はこのままでは使われなくなる恐れがあるので何とかしたい』との表明」だったということになります。
「森有礼=日本語廃止・英語採用論」という通説がありますが、よく検討するとそうではなかったということですね。
とても勉強になる本でした。
▼読み終わった本
*「イエスの生涯」
ジェラール・ベシエール著、小河陽・監修、創元社「知の再発見」双書
図版がたくさん入ったフランス人聖職者の本。
基礎知識のない当方にとっては、詳しすぎて難しい本でした。
▼読み終わった本
*「韓めし政治学」
黒田勝弘・著、角川新書
先日「韓国を食べる」を読んだばかりですが、同じ著者による韓国の食に関する本。
今回は政治がらみの切り口です。
折しも、日韓関係は最悪と言っていい状態ですが、政治以外の分野では状況が悪化しないよう祈るばかりです。
▼読み終わった本
*「天才と発達障害」
岩波明・著、文春新書
これはとても面白い本でした。
帯には芥川龍之介、アインシュタイン、南方熊楠、モーツァルトの写真とともに、「大胆、反抗、過剰集中」の文字が。
凡人にはない能力を発揮する一部の人たち(要するに「天才」)は、いろいろと違った面を持っているのでしょうが、その能力を発揮するには「空気を読む」必要はないし、普通の人間としては無視できないさまざまな事柄を無視して「集中」することが必要なんだと思います。
日本は日本語を捨てかけたときがあったのですね。
「簡易英語」ってどんなものだったか気になります。
たぶん、英語という名はついていても、実際に海外では使えない、中途半端な言葉なのかも。
by YAP (2019-08-06 08:28)
YAPさま
第二次大戦後(敗戦後)も「日本語をやめよう」とか「漢字を使わないようにしよう」という動きはあったそうです。
「当用漢字」(常用漢字の前)は「使ってもいい漢字を制限しよう」という意図があったそうです。
by Lionbass (2019-08-30 14:57)