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「古事記の暗号」「オーケストラ」=読み終わった本(2020.03) [読書]

「読み終わった本」リスト(備忘録)、2020年3月分です。

▼読み終わった本
*「古事記の暗号―神話が語る科学の夜明け」
藤村由加・著、新潮文庫

古事記の暗号―神話が語る科学の夜明け

古事記の暗号―神話が語る科学の夜明け

  • 作者: 藤村 由加
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2020/03/09
  • メディア: 文庫

元々は1997年に刊行されたものを2002年に文庫化したものだとのこと。
古事記について、陰陽五行説や易を元に読み解いています。
陰陽五行説や易というと、昔の迷信の類ではないかとか、占い(「当たるも八卦、当たらぬも八卦」)と思ってしまいますが、古代の人々にとっては自然界を理解するための緻密な理論だった、というわけです。
こうした陰陽五行説や易に基づいて「因幡の白兎」とか「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)」などの物語を解き明かしているわけですが、「なるほど」と膝を叩きたくなるようなところもあって、思った以上に面白い本でした。
そういえば、このシリーズは「人麻呂の暗号」という本を読んだことがあったのですが、この「古事記の暗号」はそれに続く3作目だそうです。
2作目の「額田王の暗号」はまだ読んでいないので、今度入手したいと思います。

▼読み終わった本
*「オーケストラー―知りたかったことのすべて」
クリスチャン・メルラン著、藤本優子&山田浩之・訳、みすず書房

オーケストラー―知りたかったことのすべて

オーケストラー―知りたかったことのすべて

  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2020/02/19
  • メディア: 単行本

本文約540ページに資料・索引などが50ページ超。
さすがに「ちょっと冗長すぎるかな」というのが感想です。
(「詳しい」のと冗長なのは紙一重かもしれませんが…。)
たとえば、「この楽器の奏者には、過去こんな名手がいた」とか「現在はこれらの奏者が有名だ」みたいな記述がかなりの分量あるんですが、フランスそしてヨーロッパ中心なので、(楽器にもよりますが)知らない人ばかりだったりします。

オーケストラは「フラットな組織だ」とよく言われます。
それはあながち間違っていないのですが、それでも「序列」とか「地位の上下」のようなものがあって、弦楽器であれば「首席」と「次席」と「一般の奏者」(テュッティ=Tuttiなどと呼ばれます)などの序列があったりします。
(オーケストラによって呼び名が違います。)
この「序列」「地位」「職責」のようなものの訳し方が、どうも腑に落ちませんでした。

それに、”明らかな誤り”もありました。
詳細は省きますが、少なくとも2〜3カ所はおかしい部分があって、恐らく翻訳の問題だろうと思います。
(原文をまだ目にしていないので断定はできませんが…。)

もちろん「へえ」と思わせる著者ならではのエピソードとか、指揮者とオケの関係など面白い話もたくさん書かれているので、この値段分の価値はあると思います。
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コメント 2

YAP

因幡の白兎、八岐大蛇の舞台は、今も新型コロナ感染者がいませんね。
これもまた易の力?
by YAP (2020-04-05 18:33) 

Lionbass

YAPさま
感染症の件は、人口の多い・少ないは関係しているんでしょうけどね…。(笑)
日本海に面し朝鮮半島に近い出雲地方は、古代には先進地域だったでしょうから、こうした「物語」もいろんなことを反映しているのだと思います。
by Lionbass (2020-04-08 15:09) 

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