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「日本語の連続/不連続」「ヨーロッパ人名語源事典」「フロイスの見た戦国日本」「こうして管楽器は作られる」=読み終わった本(2020.05) [読書]

「読み終わった本」リスト(備忘録)、2020年5月分です。
前の月に引き続き、通勤時には読めない分厚い本を中心に読んでました。

▼読み終わった本
*「日本語の連続/不連続 百年前の『かきことば』を読む」
今野真二・著、平凡社新書

日本語の連続/不連続

日本語の連続/不連続

  • 作者: 真二, 今野
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2020/02/17
  • メディア: 新書
100年前、つまり1920年ごろの日本語について、雑誌の記事などを中心に考察した本。
1920年というと大正時代ですね。(もはや明治ではない。)
なんとなく「江戸から明治に入ったらいろんなものが変わった」と思いがちですが、別の本を読んでも、日本語が大きく変わるのは明治30年代くらいからだったようです。
大正時代には、いろんな変化が進んだのだと思います。
この本を読んでも、「あれ?現在とそんなに変わらないかな?」と思うところもあれば、「まだまだ『時代を感じさせる』なあ」というものもあって、非常に興味深く読みました。
また、「明治末期から大正、昭和初期のころの辞書」という項目もなかなか面白い内容でした。
この時代、まだ録音技術は普及していなかったので、書き言葉中心なわけですが、話し言葉がどんな感じだったのかも知りたくなります。

▼読み終わった本
*「ヨーロッパ人名語源事典」
梅田修・著、大修館書店

ヨーロッパ人名語源事典

ヨーロッパ人名語源事典

  • 作者: 梅田 修
  • 出版社/メーカー: 大修館書店
  • 発売日: 2000/07/01
  • メディア: 単行本
ハードカバー、約400ページもある重たい本。
通勤中には読めないので、ステイホームに読むにはもってこい、ということでずっと積んでありましたが、ようやく手を出しました。
ヨーロッパ各国の名前の起源・語源を読み解いているわけですが、極めて広い知識・見識と、研究の積み重ねが必要だったと思われ、ただただ圧倒されました。
(ひたすら、名前の由来やその名前を持つ有名人について説明しているだけなんですけどね…。)
たとえば、英語のJohn(ジョン)は洗礼者ヨハネに由来し、欧米でももっとも人気のある男性の名前です。
各国語ではヤニス(ギリシャ語)、ジャン(フランス語)、ジョヴァンニ(イタリア語)、ヨハン(ドイツ語)などとして使われています。
こうした説明を読むだけでも、「へえ!」と思ってしまいます。
これが400ページにわたって繰り広げられているので、とにかく「大変な労作だ」としか言えません。

▼読み終わった本
*「だれが聖書を書いたのか」
本多 顕彰・著、二見書房

だれが聖書を書いたのか

だれが聖書を書いたのか

  • 作者: 本多 顕彰
  • 出版社/メーカー: 二見書房
  • 発売日: 2020/05/14
  • メディア: 単行本
著者は英文科の教授を務めた人物で1898年生まれ。
英文学者らしい観点から、聖書について読み解いています。
各聖書の内容を説明した上で、現代でもよく使われる聖書の名言・聖句について解説しています。
たとえば「復讐するは我にあり」という言葉は、小説・映画の題名にもなっていて、よく知られていますが、恥ずかしながらその意味は分かっていませんでした。
新約聖書に出てくる言葉だそうですが、ここでの「我」は神のことだそうです。
(詳しい意味は検索してみてください。)
勉強になりました。

▼読み終わった本
*「フロイスの見た戦国日本」
川崎桃太・著、中公文庫

フロイスの見た戦国日本

フロイスの見た戦国日本

  • 作者: 川崎 桃太
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2006/02/01
  • メディア: 文庫
フロイスは、日本の戦国時代にイエズス会のメンバーとして来日し、「日本史」と題する膨大な記録を残したポルトガル人宣教師です。
1563年に現在の長崎県に来航し、京都や堺などの関西地方などを中心に活動し、97年に長崎で亡くなっています。
京都や周辺では、織田信長や豊臣秀吉と何度も会って、その様子を「日本史」と呼ばれる書物に残しており、戦後時代の日本に関する貴重な資料となっています。
この「フロイスの見た戦国日本」は、「日本史」の全訳を手がけた川崎桃太氏が、その中から日本での出来事に関する部分を中心に紹介しているものです。
信長や秀吉が権力の絶頂からどのように最期を迎えたかや、キリスト教(の布教)についてどのような態度で臨んだかなら、とても興味深い事柄ばかり。
とても勉強になりました。

▼読み終わった本
*「続・フロイスの見た戦国日本」
川崎桃太・著、中公文庫

続・フロイスの見た戦国日本

続・フロイスの見た戦国日本

  • 作者: 川崎 桃太
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2012/12/20
  • メディア: 文庫
上記の本の続編。
2011年の大震災のあとに書かれたということです。
川崎氏が、「日本史」の原本をポルトガル・リスボンで『発見』したときのエピソードが詳しく紹介されていて、その不思議な巡り合わせに驚かされました。
長崎は出身地なので、今度行く機会があったらゆかりの場所を訪れてみたいと思います。

▼読み終わった本
*「こうして管楽器はつくられる 〜設計者が語る『楽器学のすすめ』〜」
竹内明彦・著、ヤマハミュージックメディア

こうして管楽器はつくられる ~設計者が語る「楽器学のすすめ」~

こうして管楽器はつくられる ~設計者が語る「楽器学のすすめ」~

  • 作者: 竹内 明彦
  • 出版社/メーカー: ヤマハミュージックメディア
  • 発売日: 2019/07/22
  • メディア: 単行本
ヤマハで管楽器の設計に携わり、雑誌での連載も持っていた竹内氏の本。
弦楽器(ヴァイオリンなど)は300年以上基本的な『設計』が変わっていないわけですが、管楽器は21世紀になってもまだまだ『改良』が続いています。
まだまだ分かっていないことが多いのだと知りました。
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YAP

ジョンとジャンとヨハンが同じというのに驚きました。
ドイツには、ヨハンの他にヤン (Jan) もありますが、これも同類?

by YAP (2020-06-05 17:50) 

Lionbass

YAPさま
いつもコメントありがとうございます。
ドイツの「ヤン」はヨハンやヨハネスの短縮系・愛称みたいですね。
「ヤン」や「ヤンネ」は東欧や北欧に多くて、やはり「ヨハネ」のことだそうです。
by Lionbass (2020-06-07 08:53) 

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