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シーズン幕開けはウィーン古典派とR.シュトラウスと【N響9月B定期を聴く】 [音楽]

きのうはNHK交響楽団の新シーズンの幕開け、B定期を聴きました。

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NHK交響楽団 第1893回定期演奏会Bプログラム
日時:2018年9月27日(木)午後7時開演
会場:サントリーホール(東京・赤坂)
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ(常任指揮者)
独奏:ラデク・バボラーク(ホルン)
曲目:シューベルト 交響曲第3番ニ長調
   R.シュトラウス ホルン協奏曲第2番変ホ長調
   ベートーヴェン 「プロメテウスの創造物」序曲
   ハイドン 交響曲第102番変ロ長調
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NHK交響楽団の「機関誌」(演奏会プログラム)である「フィルハーモニー」(上掲写真)には次のような紹介文があります。
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(Aプログラムで取り上げられる)マーラーよりも半世紀以上前にウィーンで活躍したハイドン、ベートーヴェン、シューベルトの作品が並んでいるのが、Bプログラムだ。いうまでもなく、かれらの音楽もマーラーに大きな影響を与えた。
一方、R.シュトラウスの《ホルン協奏曲第2番》は1942年に書かれた作品だが、マーラーより4歳下のR.シュトラウスは、互いに刺激を与えあったよきライバルだった。そして晩年のこの作品は、ウィーンに生きた音楽家としてやはり欠かすことのできない天才、モーツァルトの影響を想起させる。このように、AとBの両プログラムは2つ合わせて、「音楽の都」ウィーンを強く意識させる選曲となっている。
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ハイドンは18世紀、ベートーヴェンとシューベルトは(主に)19世紀後半のウィーンを舞台に活動・活躍しました。
一方、リヒャルト・シュトラウスは19世紀後半から20世紀半ばにかけてのドイツやウィーンが活動の舞台でした。

ということで、現代随一のホルン奏者、バボラークを迎えての演奏会は、R.シュトラウスのホルン協奏曲を中心に、前後をシューベルト、ベートーヴェン、ハイドンで固めるというコンセプトの構成です。

最初のシューベルトは、いかにも「若いときの作品だな」という感じ。
若干、”あか抜けない”印象ですが、それはそれでいい味出してると思いました。

ホルン協奏曲は、同じ独奏者で1番も聴きました。
1番のほうがはるかに知られていて、2番は今回初めて聴きましたが、「ホルンがすごい」という言葉しか出てきません。
音が柔らかくて、大きく跳ぶところも半音階で動くところも、とにかくスムーズ。
金管ではなく、まるで木管楽器か鍵盤楽器(オルガンとか)を演奏しているような聞こえ方でした。

後半はまず「プロメテウスの創造物」から。
今年4月に指揮したばかりなので、より引き込まれました。
ヴァイオリンが細かい音符で動くところが「聞かせどころ」の一つなんですが、もちろん一糸乱れぬ「さすが」と思わせる演奏でした。

最後はハイドンの102番。
これも演奏したことがなくて、聴く機会もそんなに多くない作品。
ハイドンに限らず、この頃の作曲家は、機会に応じてどんどん作品を生み出すのが常だったわけですが、「ハイドン節」満載の生き生きとした演奏でした。

日本のオケは、やはりこうした「ドイツ・オーストリア系」の作品の方が向いているんですかね。

そして、シーズン幕開けの演奏会だからでしょうか。
きのうは両コンサートマスター(篠崎さん、伊藤さん)が並んで弾いてました。
また、チェロのトップの席には日本フィルの辻本さんが座っていて、ハイドンなどのソロを堂々と弾いてました。
(首席である藤森さんは裏にいらっしゃいました。)
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初めて聴く校訂版ブルックナーは各所に驚きが【読響みなとみらい名曲シリーズ】 [音楽]

きのうは振替でチケット入手した読響のみなとみらい公演を聴きました。

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読売日本交響楽団 第106回 みなとみらいホリデー名曲シリーズ
日時:2018年9月23日(日・祝)14時開演
会場:横浜みなとみらいホール(横浜・西区)
指揮:シルヴァン・カンブルラン(常任指揮者)
独奏:ピョートル・アンデルシェフスキ(ピアノ)
曲目:モーツァルト 歌劇「後宮からの誘拐」序曲
   同 ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
   ブルックナー 交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」(2004年コーストヴェット校訂版)
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最初はモーツァルトの「後宮からの誘拐」序曲。
トルコの雰囲気を出すための大太鼓やシンバルの『軍楽隊風』の音がいい感じでした。

2曲目はモーツァルトのピアノ協奏曲24番。
20番と並んで2曲しかない短調の曲ですが、20番が純粋に美しいのに対し、どこか陰りのある独特の曲調で、引き込まれました。

後半は、ブルックナーの交響曲としては最も演奏機会の多い第4番。
ただしとても珍しい「コーストヴェット校訂版」です。
CDなどもほとんど出ていないのではないでしょうか?

全体の骨格はそんなに変わらないんですが、冒頭の弦楽器群の中で、コントラバスだけがトレモロではない部分があったり、各所に「あれ?」「おおっ!」という部分が。
一番違いが大きかったのはティンパニのリズムでしょうか。
ブルックナー作品の「版」の問題は、それだけで本が何冊もかけるようなテーマですが、本当にいろいろあるものです。
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さすがの華やかな演奏でした【東京楽友協会響のアメリカプログラムを聴く】 [音楽]

きのうは、東京楽友響を聴きに行きました。
身内が賛助出演していることもあって、最近ほぼ毎回足を運んでいます。

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東京楽友協会交響楽団 第105回定期演奏会
日時:2018年9月16日(日)午後1時30分開演
会場:すみだトリフォニーホール(東京・錦糸町)
指揮:橘直貴
曲目:ラフマニノフ 「交響的舞曲」
   バーンスタイン 「オーケストラのためのディヴェルティメント」
   ガーシュイン 「パリのアメリカ人」
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バーンスタインとガーシュインはアメリカの作曲家。
ラフマニノフはロシア出身ですが、革命によりアメリカに居を移し、ピアニストや作曲家として後半生を過ごしました。
ということで、今回の3曲はアメリカが生んだ名曲たちです。

1曲目にラフマニノフの最後の作品「交響的舞曲」。
演奏会のメインになりうる大曲ですが、きのうは幕開けに置かれていました。
通常のオーケストラの編成のほかに、アルトサックスが使われています。
そのサックスを始めとする木管楽器群や、楽友響の誇る金管楽器群が安定したハイレベルな演奏を聴かせてくれました。

2曲目はバーンスタインの「ディヴェルティメント」。
初めて聞いたのですが、バーンスタインらしいおしゃれでカッコイイ曲でした。

最後は「パリのアメリカ人」。
ラジオ放送などで耳にする機会は結構あるような気がするんですが、アマチュアオーケストラではあまり取り上げないような気がします。
私自身も弾いたことがありません。
これも、金管楽器が大活躍する曲で、とても華やかな素晴らしい演奏でした。

そういえば、すみだトリフォニーホールはかなり久しぶりでした。
7月のザ・シンフォニカの演奏会が東京オペラシティだったこともあり…。
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新シーズンはフランスプログラムでスタート【日フィル9月東京定期を聴く】 [音楽]

きのうは新シーズン最初の日フィル定期演奏会でした。
昨年まで、この時期に夏休みを取っていたので、聴くのは久しぶり…。
赤坂アークヒルズのサントリーホール真向かいにあるフランス料理店「オー・バッカナル」が今月末で閉店ということで、コンサート前の夕食はオムレツをいただきました。
img_オムレツ20180907.jpg

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日本フィルハーモニー交響楽団 第703回 東京定期演奏会
日時:2018年9月7日(金)午後7時開演
会場:サントリーホール(東京・赤坂)
指揮:山田和樹
独奏:萩原麻未(ピアノ)
曲目:プーランク「シンフォニエッタ」
   三善晃 ピアノ協奏曲
   デュカス 交響詩「魔法使いの弟子」
   デュティユー交響曲第2番「ル・ドゥーブル」
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デュカスは19世紀、プーランク、デュティユーは20世紀フランスの作曲家。
そして、三善晃はデュティユーから作曲を学んだということで、極めて計算され尽くしたプログラム。
日フィル正指揮者のヤマカズことマエストロ山田和樹は、フランスやスイスでの活動も長いので、フランスのオーケストラ音楽の歴史を熟知した上での選曲なのでしょう。

最初はプーランク「シンフォニエッタ」。
(「シンフォニエッタ」とは「シンフォニー=交響曲の小さいもの」という意味。)
プーランクらしい、素敵なハーモニー(和音)はリズムが散りばめられています。
いつ・どこでだったか忘れましたが、演奏経験があるので、楽しんで聴くことができました。

2曲目はソリストに萩原麻未さんを迎えての三善晃「ピアノ協奏曲」。
いわゆる前衛的な作品で、事前にスコアを見る機会もあったんですが、なかなか難解な曲でした。
席がステージ後ろ(P席)なので、ピアノの音が聞こえにくいのもマイナス要素でした。

後半はデュカスの「魔法使いの弟子」。
4曲の中でも最も知られた曲です。
というのも、ディズニー映画「ファンタジア」の中で使われているため。
今回の演奏は、ストコフスキー版だそうです。
(オリジナルとどう違うのかまだはよく知りませんが…。)
やはり知っている曲だと安心するな、と思いました。

最後はデュティユーの「ル・ドゥーブル」。
「ドゥーブル」とは英語で言うと「ダブル」(二重)。
各楽器(パート)1人ずつの「小さなオーケストラ」と、それ以外の「大きなオーケストラ」という編成になっていて、絡み合いながら曲が進んでいきます。
1950年代後半の作品ということで、プーランクやデュカスに比べると、やはり難解でした。
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「Origin」「めざせ! 旅客機雑学王」=読み終わった本(2018.08) [読書]

「読み終わった本」リスト(備忘録)、2018年8月分です。

▼読み終わった本
*「Origin」
Dan Brown著、Corgi

Origin: (Robert Langdon Book 5)

Origin: (Robert Langdon Book 5)

  • 作者: Dan Brown
  • 出版社/メーカー: Corgi
  • 発売日: 2018/07/12
  • メディア: ペーパーバック

「ダヴィンチ・コード」「天使と悪魔」などで知られるダン・ブラウンの最新作。
ハードカバーは去年発売され、日本語版(翻訳版)も上下2冊ですでに出ているんですが、旅行中に読もうと思い、ペーパーバックが出るのを待っていました。
調べてみると、ニュージーランド滞在中に発売になることが分かったので、オークランドの書店で購入。
旅行中に読み終えました。
今回は、主人公のラングドン教授の教え子であり友人でもあるエドモンド・カーシュ(キルシュ)というコンピューター専門家・未来学者が全般で重要な役割を果たします。
舞台はスペイン。
ビルバオのグッゲンハイム美術館や、マドリードの王宮、バルセロナのサグラダ・ファミリア教会などで物語は展開します。
サグラダ・ファミリアの部分は、訪問後に読んだので、「行く前の読んでおけば」とちょっと思いましたが、もちろん「行ったことのある場所」が出てくると、小説の描写や位置関係が分かってより楽しめますね。

▼読み終わった本
*「めざせ! 旅客機雑学王」
玉木俊明・著、イカロス・ムック

めざせ! 旅客機雑学王

めざせ! 旅客機雑学王

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: イカロス出版
  • 発売日: 2018/02/26
  • メディア: ムック

これも旅行中に、まさに飛行機の中で読みました。
機体などのメカニズムの話とか、旅客機の塗装の変遷とか、飛行機での旅行がより楽しめたと思います。
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「誰が音楽をタダにした?」「日本人はなぜ存在するか」「どこかでベートーヴェン」=購入した本(2018.08) [読書]

「購入した本」リスト(備忘録)、2018年8月分です。

▽購入した本
*「誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち 」
スティーヴン・ウィット著、関美和・訳、ハヤカワノンフィクション文庫

誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち (ハヤカワ文庫 NF)

誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち (ハヤカワ文庫 NF)

  • 作者: スティーヴン ウィット
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2018/03/06
  • メディア: 文庫


▽購入した本
*「日本人はなぜ存在するか」
與那覇潤・著、集英社文庫

日本人はなぜ存在するか

日本人はなぜ存在するか

  • 作者: 與那覇 潤
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2018/05/18
  • メディア: 文庫



▽購入した本
*「どこかでベートーヴェン」
中山七里・著、宝島社文庫

どこかでベートーヴェン

どこかでベートーヴェン

  • 作者: 中山 七里
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2017/05/09
  • メディア: 文庫



▽購入した本
*「ベートーヴェンの生涯」
青木やよひ・著、平凡社ライブラリー

ベートーヴェンの生涯

ベートーヴェンの生涯

  • 作者: 青木 やよひ
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2018/05/12
  • メディア: 新書


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