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「〈第九〉誕生」「ふしぎな鉄道路線」「ガイドブック日本語史」=読み終わった本(2019.11) [読書]

「読み終わった本」リスト(備忘録)、2019年11月分です。

▼読み終わった本
*「〈第九〉誕生 1824年のヨーロッパ」
ハーヴェイ・サックス著、後藤菜穂子・訳、春秋社

〈第九〉誕生: 1824年のヨーロッパ

〈第九〉誕生: 1824年のヨーロッパ

  • 作者: ハーヴェイ・サックス
  • 出版社/メーカー: 春秋社
  • 発売日: 2013/08/27
  • メディア: 単行本

「1824年」というのは、もちろん「第九」(ベートーヴェン交響曲第9番ニ短調「合唱付き」)が初演された年です。
日本では「年末の風物詩」的な扱いを受けることも多いこの曲ですが、実は芸術面、思想面で大きな転換点となる作品でした。
どんな芸術作品もそうだろうと思うんですが、特にこの「第九」は「人類はみな兄弟になる」というメッセージを打ち出しており、この内容は単に「理想」を歌ったものではなく政治的なものだったわけです。
この本では、ナポレオンが敗北し『旧体制』(王政・君主政治)が戻ってくる一方で、新たな市民社会への流れが強まって行くという時代背景を見ながら、「第九」の持つ政治・思想・文化・芸術的な意味を解き明かしています。

▼読み終わった本
*「ふしぎな鉄道路線 『戦争』と『地形』で解きほぐす」
竹内 正浩・著、NHK出版新書

ふしぎな鉄道路線: 「戦争」と「地形」で解きほぐす

ふしぎな鉄道路線: 「戦争」と「地形」で解きほぐす

  • 作者: 竹内 正浩
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2019/07/10
  • メディア: 新書

この本によると、「新京成電鉄は軍の訓練のために敷設されたので、線路が曲がりくねっている」というのは、鉄道好きの人はみんな知っていると思いますが、明治以来の鉄道路線のルート選択においては、経済面や工事のしやすさだけではなく、軍事などいろんなことが影響していたとのこと。
そして、明治期においては、きちんとした地図(地形図)も存在しなかったので、路線(ルート)選択にあたっては測量の実施が必要だったということです。
鉄道網が日本全国に広がって行くにあたっては、日清・日露の二つの戦争などが大きな影響を与えていて、戦地に向かう兵員や物資の輸送に、路線延長が大きく寄与していたそうです。
第二次大戦中、アメリカ軍が関門トンネルを爆破する計画も持ってことなど、「へえ!」という内容盛りだくさんでした。

▼読み終わった本
*「ガイドブック日本語史」
大木一夫・著、ひつじ書房

ガイドブック日本語史

ガイドブック日本語史

  • 作者: 大木 一夫
  • 出版社/メーカー: ひつじ書房
  • 発売日: 2013/06/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

「日本語がどのように変化してきたか」ということを詳しく教えてくれる本。
「古い時代の日本語」と言っても、書き言葉と話し言葉では事情が違うわけですが、文字・綴りの変化に加え、発音の変化もいろんな史料・資料から解き明かしています。
いろいろと勉強になりました。
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コメント 2

YAP

昔は鉄道の敷設も軍事と深く結びついていたんですね。
by YAP (2019-12-03 08:21) 

Lionbass

YAPさま
第二次大戦のときも「海岸沿いの線路は艦砲射撃の標的になる」と言われていたそうです。
幕末~明治初期は、各地に「お台場」(砲台)が建設されましたからね。
by Lionbass (2019-12-16 10:51) 

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