「中国地名カタカナ表記の研究」「天災から日本史を読みなおす」「通信の世紀」「宣教のヨーロッパ」=読み終わった本(2019.05) [読書]
「読み終わった本」リスト(備忘録)、2019年5月分です。
最近、楽譜の勉強をしなければならないうえ、(中身的にも物理的にも)重たいを読んだので、読了した本が少なめです。
そして、歴史関係の本が多くなりました。
▼読み終わった本
*「中国地名カタカナ表記の研究―教科書・地図帳・そして国語審議会」
明木茂夫・著、中京大学文化科学叢書
ご存じない方も多いと思いますが、現在、学校向けの社会科の教科書や地図帳では、中国の地名はカタカタ表記が主体になっています。
福建省が「フーチエン省」とか万里の長城が「ワンリー長城」とか…。
なぜ一般常識と異なる表記が行われているのかという問題について、正面から、極めて詳細・精密に取り組んだ本です。
詳しくは中身を読んでいただきたいのですが、第二次大戦後の「漢字(使用)を減らしていこう」そして「(最終的には)漢字を廃止しよう」という流れがあったということが分かります。
明治時代以来「アルファベットであれば二十数文字で済むのに、漢字を使っていては何千字、何万字も覚えなければならないので不合理だ」という主張がある程度の共感を持って受け止められていました。
また、ワープロ・パソコンの普及で、そんなことを言う人はいなくなりましたが、「漢字があるとタイプライターが使えない」と力説する人もいました。
こうした「漢字悪者論」がいろいろ影響しているというわけです。
漢字の国の地名を表記するのに、「悪者」扱いするのは変だと思うんですが…。
▼読み終わった本
*「天災から日本史を読みなおす - 先人に学ぶ防災」
磯田道史・著、中公新書
大人気の歴史学者、磯田道史氏の災害に関する新書。
豊臣秀吉と地震の話に始まって、江戸時代の富士山噴火、幕末の水害などについて、考察しています。
災害に限りませんが、いつの時代も、「記録を残す」ということがいかに大切か、思い知らされます。
▼読み終わった本
*「言語学講義−−その起源と未来」
加藤重広・著、ちくま新書
言語学について、基本的な事柄を説き起こしている本ですが、中でも面白かったのは第3章の「近代言語学を読みなおす」の部分。
「印欧(インド・ヨーロッパ)語族」の『発見』の経緯など、不勉強にして知らなかった話で、とても面白く読みました。
▼読み終わった本
*「通信の世紀: 情報技術と国家戦略の一五〇年史」
大野哲弥・著、新潮選書
著者は旧KDDの出身だそうです。
19世紀後半からの150年間について、「通信(情報通信)」という観点から、列強と国際社会の動向について、概観しています。
「へえ」と思ったのは、情報通信の分野においては、有線と無線が交互に主役の座に就いてきたという指摘。
そういえば、以前は遠隔地とのテレビ映像の送受信は通信衛星経由が主流でしたが、現在では海底ケーブル(光ファイバー)に取って代わられています。
インターネットも、有線がメインだったのが、現在では携帯電話やWi-fiを使う人が増えています。
今後はどうなっていくのでしょうか?
▼読み終わった本
*「宣教のヨーロッパ−大航海時代のイエズス会と托鉢修道会」
佐藤彰一・著、中公新書
著者はヨーロッパの歴史に関する著作がたくさんある人ですが、この本は、宗教改革や大航海時代あたりのキリスト教の広がりについて、詳しく記しています。
もちろん、イエズス会による日本での布教(宣教)のあり方についても書かれていて、とても面白い本でした。
最近、楽譜の勉強をしなければならないうえ、(中身的にも物理的にも)重たいを読んだので、読了した本が少なめです。
そして、歴史関係の本が多くなりました。
▼読み終わった本
*「中国地名カタカナ表記の研究―教科書・地図帳・そして国語審議会」
明木茂夫・著、中京大学文化科学叢書
中国地名カタカナ表記の研究―教科書・地図帳・そして国語審議会
- 作者: 明木 茂夫
- 出版社/メーカー: 東方書店
- 発売日: 2014/04
- メディア: 単行本
ご存じない方も多いと思いますが、現在、学校向けの社会科の教科書や地図帳では、中国の地名はカタカタ表記が主体になっています。
福建省が「フーチエン省」とか万里の長城が「ワンリー長城」とか…。
なぜ一般常識と異なる表記が行われているのかという問題について、正面から、極めて詳細・精密に取り組んだ本です。
詳しくは中身を読んでいただきたいのですが、第二次大戦後の「漢字(使用)を減らしていこう」そして「(最終的には)漢字を廃止しよう」という流れがあったということが分かります。
明治時代以来「アルファベットであれば二十数文字で済むのに、漢字を使っていては何千字、何万字も覚えなければならないので不合理だ」という主張がある程度の共感を持って受け止められていました。
また、ワープロ・パソコンの普及で、そんなことを言う人はいなくなりましたが、「漢字があるとタイプライターが使えない」と力説する人もいました。
こうした「漢字悪者論」がいろいろ影響しているというわけです。
漢字の国の地名を表記するのに、「悪者」扱いするのは変だと思うんですが…。
▼読み終わった本
*「天災から日本史を読みなおす - 先人に学ぶ防災」
磯田道史・著、中公新書
大人気の歴史学者、磯田道史氏の災害に関する新書。
豊臣秀吉と地震の話に始まって、江戸時代の富士山噴火、幕末の水害などについて、考察しています。
災害に限りませんが、いつの時代も、「記録を残す」ということがいかに大切か、思い知らされます。
▼読み終わった本
*「言語学講義−−その起源と未来」
加藤重広・著、ちくま新書
言語学について、基本的な事柄を説き起こしている本ですが、中でも面白かったのは第3章の「近代言語学を読みなおす」の部分。
「印欧(インド・ヨーロッパ)語族」の『発見』の経緯など、不勉強にして知らなかった話で、とても面白く読みました。
▼読み終わった本
*「通信の世紀: 情報技術と国家戦略の一五〇年史」
大野哲弥・著、新潮選書
著者は旧KDDの出身だそうです。
19世紀後半からの150年間について、「通信(情報通信)」という観点から、列強と国際社会の動向について、概観しています。
「へえ」と思ったのは、情報通信の分野においては、有線と無線が交互に主役の座に就いてきたという指摘。
そういえば、以前は遠隔地とのテレビ映像の送受信は通信衛星経由が主流でしたが、現在では海底ケーブル(光ファイバー)に取って代わられています。
インターネットも、有線がメインだったのが、現在では携帯電話やWi-fiを使う人が増えています。
今後はどうなっていくのでしょうか?
▼読み終わった本
*「宣教のヨーロッパ−大航海時代のイエズス会と托鉢修道会」
佐藤彰一・著、中公新書
著者はヨーロッパの歴史に関する著作がたくさんある人ですが、この本は、宗教改革や大航海時代あたりのキリスト教の広がりについて、詳しく記しています。
もちろん、イエズス会による日本での布教(宣教)のあり方についても書かれていて、とても面白い本でした。
通信の世紀の紹介を見て、ドイツ博物館の展示を思い出しました。
テーマ毎にその歴史が展示されていて、通信というコーナーもあったのですが、始まりの展示は狼煙の絵でした。
「そこから話が始まるの?」と驚きました。
by YAP (2019-06-05 08:20)
YAPさま
「通信」に関しては、自分が子供のころと比べても別次元のような気がします。
そして、二度の世界大戦が起きたことと、通信手段の発達は無関係ではないということを思い知らされました。
by Lionbass (2019-06-08 13:44)