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「ハングルの誕生」「音とことばのふしぎな世界」「国家と音楽家」「楽譜と旅する男」=読み終わった本(2021.08) [読書]

「読み終わった本」リスト(備忘録)、2021年8月分です。
夏休みに遠出せず、天気も悪かったので本ばかり読んでいたら、急に読書量が増えました。

▼読み終わった本
*「ハングルの誕生 音から文字を創る」
野間秀樹・著、平凡社新書

ハングルの誕生 音から文字を創る

ハングルの誕生 音から文字を創る

  • 作者: 野間 秀樹
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2010/05/14
  • メディア: 新書

2010年出版の本。
古書店で購入しました。
韓国・朝鮮語を書き表すための文字「ハングル」は、15世紀のなかごろ、朝鮮王朝第4代の王様、世宗(セジョン)の命令で作られました。
基本的には『表音文字』ですが、アルファベットなどのように母音や子音を表すのではなく、1文字の中に「子音+母音(+子音)」を表すことができて、中国から取り入れた漢字1文字分の韓国・朝鮮語における発音を、ハングル1文字で示すことができるようになっています。
また、発音する際の口の形などが文字の形に反映されていて、現代のような言語学がまだない時代としては、画期的でした。
この本は、こうしたハングルの誕生にまつわるエピソードや、その特徴について詳しく紹介していて、新書(入門書)の域を超えているように思います。

▼読み終わった本
*「音とことばのふしぎな世界 メイド声から英語の達人まで」
川原繁人・著、岩波科学ライブラリー

音とことばのふしぎな世界――メイド声から英語の達人まで

音とことばのふしぎな世界――メイド声から英語の達人まで

  • 作者: 川原 繁人
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2015/11/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

「『マル』と『ミル』はどちらが大きいか?」とか、「『ガンダム』が濁点なしの『カンタム』だったらどう感じるか?」など、言葉の音によって受ける印象がどのように変わるか、言語学的に解き明かしています。
いろいろと興味深い本でした。

▼読み終わった本
*「聖書考古学 - 遺跡が語る史実」
長谷川修一・著、中公新書

聖書考古学 - 遺跡が語る史実

聖書考古学 - 遺跡が語る史実

  • 作者: 長谷川 修一
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2013/02/22
  • メディア: 新書

2013年に出版された本で、古書店で購入。
聖書(主に旧約聖書)に書かれている話が、実際のエピソードをどれくらい反映しているのか、現地での発掘調査に従事している筆者が、その豊富な経験と知識に基づいて考察しています。

▼読み終わった本
*「知ったかぶりキリスト教入門 イエス・聖書・教会の基本の教養99」
中村圭志・著、幻冬舎新書

知ったかぶりキリスト教入門 イエス・聖書・教会の基本の教養99

知ったかぶりキリスト教入門 イエス・聖書・教会の基本の教養99

  • 作者: 中村 圭志
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/11/30
  • メディア: 新書

2017年の本で、これは新刊で購入しました。
キリスト教徒ではない宗教学者である著者が、「信者になりたいわけではない人」のために著した本です。
99の質問に答える形で、キリスト教に関する知識を平易に説明しています。
宗教上の質問だけでなく、聖書の内容に関する質問や、西洋文明とキリスト教の関係など、ヨーロッパ(や北米・中南米)の国々について理解するのに必要な知識について説明していて、いろいろと勉強になりました。

▼読み終わった本
*「日本語の教養100」
今野真二・著、河出新書

日本語の教養100

日本語の教養100

  • 作者: 今野真二
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2021/02/26
  • メディア: 新書

こちらも新刊で購入。(2021年刊)
日本語に関するさまざまな知識を100項目紹介したエッセイ集です。
その内容は「漢字」「かな/カナ」や表記法、辞書、ことわざや四字熟語など多岐にわたっています。
気軽に読めて、それでいていろんな知識が身につく本でした。

▼読み終わった本
*「コロンブスは何を『発見』したか」
笈川博一・著、講談社現代新書

コロンブスは何を「発見」したか

コロンブスは何を「発見」したか

  • 作者: 笈川 博一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2021/09/11
  • メディア: 新書

Amazonのデータは今年刊行となっていますが、奥付を見ると1992年の出版。
(古書店で購入)
著者の笈川さんは個人的にお目にかかったことがあって、そのときは中東・エルサレム在住でした。
この本は、イタリア出身のコロンブスがどのような経緯でスペインの支援を受けて新大陸『発見』の航海に出たのかについて、詳しく紹介しています。
また、著者ならではだと思いますが、「コロンブスはユダヤ人だったのか?」にも1つの章を割いて考察しています。
コロンブスの『発見』については、高校の世界史の授業以来、さまざまなエピソードを耳にしたことがありますが、初めて目にする話も多く、とても興味深い本でした。

▼読み終わった本
*「ドイツ史10講」
坂井栄八郎・著、岩波新書

ドイツ史10講

ドイツ史10講

  • 作者: 坂井 栄八郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2003/02/20
  • メディア: 新書

古書店で購入した2003年刊行の本。
モーツアルト(ザルツブルク出身)やベートーヴェン(ボン出身)がウィーンで活躍した18〜19世紀は、まだ「ドイツ」という国はなく、「神聖ローマ帝国」と呼ばれる国が現在のドイツやオーストリアの領域に(その統治の形はともかくとして)存在していました。
こうした音楽家・作曲家がどのような政治体制の下で活動していたのか、そして後のナチス出現につながるドイツ国家の出現にはどのような経緯があったのか。
その歴史が整理されていて、とても分かりやすい本でした。

▼読み終わった本
*「国家と音楽家」
中川右介・著、七つ森書館

国家と音楽家

国家と音楽家

  • 作者: 中川 右介
  • 出版社/メーカー: 七つ森書館
  • 発売日: 2013/10/01
  • メディア: 単行本

2013年の本で、古書店で購入。
ヒトラーとフルトヴェングラーやカラヤン、ムッソリーニとトスカニーニ、スターリンとショスタコーヴィチなど、20世紀の(独裁)国家と音楽家の関係について、そのドラマを解き明かした本です。
著者の中川氏はこうした音楽や歴史の本をたくさん著していて、何冊も読んだことがありますが、この本も期待を裏切らない面白い本でした。

▼読み終わった本
*「地名から読み解く日本列島」
火田博文・著、彩図社

地名から読み解く日本列島

地名から読み解く日本列島

  • 作者: 火田 博文
  • 出版社/メーカー: 彩図社
  • 発売日: 2021/03/01
  • メディア: 単行本

コンビニで新刊で購入。
日本の地名について、「地形から生まれた地名」「信仰から生まれた地名」「戦乱の歴史から生まれた地名」などに分けて説明しています。
「思わず耳を疑う珍しい地名」には『スウェーデンヒルズ』や『戸来(へらい)』『上町A・B・C』など、「へえ!」と思うような例も紹介されていて、面白く読みました。

▼読み終わった本
*「楽譜と旅する男」
芦辺拓・著、光文社文庫

楽譜と旅する男 ()

楽譜と旅する男 (光文社文庫)

  • 作者: 芦辺 拓
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2019/07/26
  • メディア: Kindle版

新刊で購入。
存在しない、あるいは入手困難と思われる楽譜をめぐる不思議な物語を集めた短編集。
オーストリアから中国まで、世界各国を舞台にしています。
音楽に興味のある人にオススメです。

▼読み終わった本
*「一億円のさようなら」
白石一文・著、徳間文庫

一億円のさようなら

一億円のさようなら

  • 作者: 白石一文
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2020/09/04
  • メディア: 文庫

コンビニで新刊で購入。
妻が莫大な遺産を相続していることを偶然知った中年男性を主人公にした物語。
その遺産の一部である一億円を突然渡されたこの男性が、家族や職場(会社)での勢力争いなどから逃れようとして福岡から金沢に移り住んだところで、子供時代に遡る秘密も絡んで、思わぬ展開が待ち受けています。
なかなか面白い本でした。

▼読み終わった本
*「屋上のテロリスト」
知念実希人・著、光文社文庫

屋上のテロリスト

屋上のテロリスト

  • 作者: 知念 実希人
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2017/09/22
  • メディア: Kindle版

コンビニで新刊で購入。
著者の知念氏は、医師として働きながら小説をものしているとのこと。
最近では新型コロナウイルスに関しSNSで情報を発信していて、それで名前を知っていたので、この本を手に取りました。
中身は「第二次大戦後に(朝鮮半島のように)分断国家になった日本」を舞台に、統一への動きを後押ししようと女子高校生と同級生の男子生徒が『活躍』するというお話です。
まあ、もちろん荒唐無稽とも思える部分もあるんですが、娯楽小説としては十分楽しめました。

▼読み終わった本
*「トリガール!」
中村航・著、角川文庫

トリガール!

トリガール!

  • 作者: 中村 航
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/06/20
  • メディア: 文庫

新刊で購入。
元々は2012年に出版され、14年に文庫化されたもので、2017年には映画も公開されています。
「鳥人間コンテスト」に出場する工業大学の人力飛行機サークルを舞台にした物語。
その気もなかったのにサークルに入って、人力飛行機の「漕ぎ手」(自転車のようにペダルを回す役)になった女の子が主人公です。
なかなか面白くて、あっという間に(半日ほどで)読み終わりました。

▼読み終わった本
*「夏休み」
中村航・著、集英社文庫

夏休み

夏休み

  • 作者: 中村 航
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2011/06/28
  • メディア: 文庫

同じ著者の短い小説。(2011年刊)
こちらは古書店で買いました。
2組の夫婦をめぐる物語。
「え?」と思わせるようなちょっとしたエピソードが出てきて、こちらもあっという間に読み終わりました。
人物描写が巧みなんでしょうね。

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YAP

ドイツは仕事でつながりが強いので、ドイツ史には興味があります。
高校のときに世界史を選択していたのですが、当時は社会全般が苦手で、世界史もいまいち頭に入っていきませんでした。
今ならちょっと違うかな。
by YAP (2021-09-12 16:54) 

Lionbass

YAPさま
ここ数年、ドイツ史の本を何冊も読んだんですが、「神聖ローマ帝国が現在のドイツだ」と言われても、いまだにピンときません。(笑)
by Lionbass (2021-09-22 20:44) 

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