「ハングルの誕生」「音とことばのふしぎな世界」「国家と音楽家」「楽譜と旅する男」=読み終わった本(2021.08) [読書]
「読み終わった本」リスト(備忘録)、2021年8月分です。
夏休みに遠出せず、天気も悪かったので本ばかり読んでいたら、急に読書量が増えました。
▼読み終わった本
*「ハングルの誕生 音から文字を創る」
野間秀樹・著、平凡社新書
2010年出版の本。
古書店で購入しました。
韓国・朝鮮語を書き表すための文字「ハングル」は、15世紀のなかごろ、朝鮮王朝第4代の王様、世宗(セジョン)の命令で作られました。
基本的には『表音文字』ですが、アルファベットなどのように母音や子音を表すのではなく、1文字の中に「子音+母音(+子音)」を表すことができて、中国から取り入れた漢字1文字分の韓国・朝鮮語における発音を、ハングル1文字で示すことができるようになっています。
また、発音する際の口の形などが文字の形に反映されていて、現代のような言語学がまだない時代としては、画期的でした。
この本は、こうしたハングルの誕生にまつわるエピソードや、その特徴について詳しく紹介していて、新書(入門書)の域を超えているように思います。
▼読み終わった本
*「音とことばのふしぎな世界 メイド声から英語の達人まで」
川原繁人・著、岩波科学ライブラリー
「『マル』と『ミル』はどちらが大きいか?」とか、「『ガンダム』が濁点なしの『カンタム』だったらどう感じるか?」など、言葉の音によって受ける印象がどのように変わるか、言語学的に解き明かしています。
いろいろと興味深い本でした。
▼読み終わった本
*「聖書考古学 - 遺跡が語る史実」
長谷川修一・著、中公新書
2013年に出版された本で、古書店で購入。
聖書(主に旧約聖書)に書かれている話が、実際のエピソードをどれくらい反映しているのか、現地での発掘調査に従事している筆者が、その豊富な経験と知識に基づいて考察しています。
▼読み終わった本
*「知ったかぶりキリスト教入門 イエス・聖書・教会の基本の教養99」
中村圭志・著、幻冬舎新書
2017年の本で、これは新刊で購入しました。
キリスト教徒ではない宗教学者である著者が、「信者になりたいわけではない人」のために著した本です。
99の質問に答える形で、キリスト教に関する知識を平易に説明しています。
宗教上の質問だけでなく、聖書の内容に関する質問や、西洋文明とキリスト教の関係など、ヨーロッパ(や北米・中南米)の国々について理解するのに必要な知識について説明していて、いろいろと勉強になりました。
▼読み終わった本
*「日本語の教養100」
今野真二・著、河出新書
こちらも新刊で購入。(2021年刊)
日本語に関するさまざまな知識を100項目紹介したエッセイ集です。
その内容は「漢字」「かな/カナ」や表記法、辞書、ことわざや四字熟語など多岐にわたっています。
気軽に読めて、それでいていろんな知識が身につく本でした。
▼読み終わった本
*「コロンブスは何を『発見』したか」
笈川博一・著、講談社現代新書
Amazonのデータは今年刊行となっていますが、奥付を見ると1992年の出版。
(古書店で購入)
著者の笈川さんは個人的にお目にかかったことがあって、そのときは中東・エルサレム在住でした。
この本は、イタリア出身のコロンブスがどのような経緯でスペインの支援を受けて新大陸『発見』の航海に出たのかについて、詳しく紹介しています。
また、著者ならではだと思いますが、「コロンブスはユダヤ人だったのか?」にも1つの章を割いて考察しています。
コロンブスの『発見』については、高校の世界史の授業以来、さまざまなエピソードを耳にしたことがありますが、初めて目にする話も多く、とても興味深い本でした。
▼読み終わった本
*「ドイツ史10講」
坂井栄八郎・著、岩波新書
古書店で購入した2003年刊行の本。
モーツアルト(ザルツブルク出身)やベートーヴェン(ボン出身)がウィーンで活躍した18〜19世紀は、まだ「ドイツ」という国はなく、「神聖ローマ帝国」と呼ばれる国が現在のドイツやオーストリアの領域に(その統治の形はともかくとして)存在していました。
こうした音楽家・作曲家がどのような政治体制の下で活動していたのか、そして後のナチス出現につながるドイツ国家の出現にはどのような経緯があったのか。
その歴史が整理されていて、とても分かりやすい本でした。
▼読み終わった本
*「国家と音楽家」
中川右介・著、七つ森書館
2013年の本で、古書店で購入。
ヒトラーとフルトヴェングラーやカラヤン、ムッソリーニとトスカニーニ、スターリンとショスタコーヴィチなど、20世紀の(独裁)国家と音楽家の関係について、そのドラマを解き明かした本です。
著者の中川氏はこうした音楽や歴史の本をたくさん著していて、何冊も読んだことがありますが、この本も期待を裏切らない面白い本でした。
▼読み終わった本
*「地名から読み解く日本列島」
火田博文・著、彩図社
コンビニで新刊で購入。
日本の地名について、「地形から生まれた地名」「信仰から生まれた地名」「戦乱の歴史から生まれた地名」などに分けて説明しています。
「思わず耳を疑う珍しい地名」には『スウェーデンヒルズ』や『戸来(へらい)』『上町A・B・C』など、「へえ!」と思うような例も紹介されていて、面白く読みました。
▼読み終わった本
*「楽譜と旅する男」
芦辺拓・著、光文社文庫
新刊で購入。
存在しない、あるいは入手困難と思われる楽譜をめぐる不思議な物語を集めた短編集。
オーストリアから中国まで、世界各国を舞台にしています。
音楽に興味のある人にオススメです。
▼読み終わった本
*「一億円のさようなら」
白石一文・著、徳間文庫
コンビニで新刊で購入。
妻が莫大な遺産を相続していることを偶然知った中年男性を主人公にした物語。
その遺産の一部である一億円を突然渡されたこの男性が、家族や職場(会社)での勢力争いなどから逃れようとして福岡から金沢に移り住んだところで、子供時代に遡る秘密も絡んで、思わぬ展開が待ち受けています。
なかなか面白い本でした。
▼読み終わった本
*「屋上のテロリスト」
知念実希人・著、光文社文庫
コンビニで新刊で購入。
著者の知念氏は、医師として働きながら小説をものしているとのこと。
最近では新型コロナウイルスに関しSNSで情報を発信していて、それで名前を知っていたので、この本を手に取りました。
中身は「第二次大戦後に(朝鮮半島のように)分断国家になった日本」を舞台に、統一への動きを後押ししようと女子高校生と同級生の男子生徒が『活躍』するというお話です。
まあ、もちろん荒唐無稽とも思える部分もあるんですが、娯楽小説としては十分楽しめました。
▼読み終わった本
*「トリガール!」
中村航・著、角川文庫
新刊で購入。
元々は2012年に出版され、14年に文庫化されたもので、2017年には映画も公開されています。
「鳥人間コンテスト」に出場する工業大学の人力飛行機サークルを舞台にした物語。
その気もなかったのにサークルに入って、人力飛行機の「漕ぎ手」(自転車のようにペダルを回す役)になった女の子が主人公です。
なかなか面白くて、あっという間に(半日ほどで)読み終わりました。
▼読み終わった本
*「夏休み」
中村航・著、集英社文庫
同じ著者の短い小説。(2011年刊)
こちらは古書店で買いました。
2組の夫婦をめぐる物語。
「え?」と思わせるようなちょっとしたエピソードが出てきて、こちらもあっという間に読み終わりました。
人物描写が巧みなんでしょうね。
夏休みに遠出せず、天気も悪かったので本ばかり読んでいたら、急に読書量が増えました。
▼読み終わった本
*「ハングルの誕生 音から文字を創る」
野間秀樹・著、平凡社新書
2010年出版の本。
古書店で購入しました。
韓国・朝鮮語を書き表すための文字「ハングル」は、15世紀のなかごろ、朝鮮王朝第4代の王様、世宗(セジョン)の命令で作られました。
基本的には『表音文字』ですが、アルファベットなどのように母音や子音を表すのではなく、1文字の中に「子音+母音(+子音)」を表すことができて、中国から取り入れた漢字1文字分の韓国・朝鮮語における発音を、ハングル1文字で示すことができるようになっています。
また、発音する際の口の形などが文字の形に反映されていて、現代のような言語学がまだない時代としては、画期的でした。
この本は、こうしたハングルの誕生にまつわるエピソードや、その特徴について詳しく紹介していて、新書(入門書)の域を超えているように思います。
▼読み終わった本
*「音とことばのふしぎな世界 メイド声から英語の達人まで」
川原繁人・著、岩波科学ライブラリー
「『マル』と『ミル』はどちらが大きいか?」とか、「『ガンダム』が濁点なしの『カンタム』だったらどう感じるか?」など、言葉の音によって受ける印象がどのように変わるか、言語学的に解き明かしています。
いろいろと興味深い本でした。
▼読み終わった本
*「聖書考古学 - 遺跡が語る史実」
長谷川修一・著、中公新書
2013年に出版された本で、古書店で購入。
聖書(主に旧約聖書)に書かれている話が、実際のエピソードをどれくらい反映しているのか、現地での発掘調査に従事している筆者が、その豊富な経験と知識に基づいて考察しています。
▼読み終わった本
*「知ったかぶりキリスト教入門 イエス・聖書・教会の基本の教養99」
中村圭志・著、幻冬舎新書
知ったかぶりキリスト教入門 イエス・聖書・教会の基本の教養99
- 作者: 中村 圭志
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2017/11/30
- メディア: 新書
2017年の本で、これは新刊で購入しました。
キリスト教徒ではない宗教学者である著者が、「信者になりたいわけではない人」のために著した本です。
99の質問に答える形で、キリスト教に関する知識を平易に説明しています。
宗教上の質問だけでなく、聖書の内容に関する質問や、西洋文明とキリスト教の関係など、ヨーロッパ(や北米・中南米)の国々について理解するのに必要な知識について説明していて、いろいろと勉強になりました。
▼読み終わった本
*「日本語の教養100」
今野真二・著、河出新書
こちらも新刊で購入。(2021年刊)
日本語に関するさまざまな知識を100項目紹介したエッセイ集です。
その内容は「漢字」「かな/カナ」や表記法、辞書、ことわざや四字熟語など多岐にわたっています。
気軽に読めて、それでいていろんな知識が身につく本でした。
▼読み終わった本
*「コロンブスは何を『発見』したか」
笈川博一・著、講談社現代新書
Amazonのデータは今年刊行となっていますが、奥付を見ると1992年の出版。
(古書店で購入)
著者の笈川さんは個人的にお目にかかったことがあって、そのときは中東・エルサレム在住でした。
この本は、イタリア出身のコロンブスがどのような経緯でスペインの支援を受けて新大陸『発見』の航海に出たのかについて、詳しく紹介しています。
また、著者ならではだと思いますが、「コロンブスはユダヤ人だったのか?」にも1つの章を割いて考察しています。
コロンブスの『発見』については、高校の世界史の授業以来、さまざまなエピソードを耳にしたことがありますが、初めて目にする話も多く、とても興味深い本でした。
▼読み終わった本
*「ドイツ史10講」
坂井栄八郎・著、岩波新書
古書店で購入した2003年刊行の本。
モーツアルト(ザルツブルク出身)やベートーヴェン(ボン出身)がウィーンで活躍した18〜19世紀は、まだ「ドイツ」という国はなく、「神聖ローマ帝国」と呼ばれる国が現在のドイツやオーストリアの領域に(その統治の形はともかくとして)存在していました。
こうした音楽家・作曲家がどのような政治体制の下で活動していたのか、そして後のナチス出現につながるドイツ国家の出現にはどのような経緯があったのか。
その歴史が整理されていて、とても分かりやすい本でした。
▼読み終わった本
*「国家と音楽家」
中川右介・著、七つ森書館
2013年の本で、古書店で購入。
ヒトラーとフルトヴェングラーやカラヤン、ムッソリーニとトスカニーニ、スターリンとショスタコーヴィチなど、20世紀の(独裁)国家と音楽家の関係について、そのドラマを解き明かした本です。
著者の中川氏はこうした音楽や歴史の本をたくさん著していて、何冊も読んだことがありますが、この本も期待を裏切らない面白い本でした。
▼読み終わった本
*「地名から読み解く日本列島」
火田博文・著、彩図社
コンビニで新刊で購入。
日本の地名について、「地形から生まれた地名」「信仰から生まれた地名」「戦乱の歴史から生まれた地名」などに分けて説明しています。
「思わず耳を疑う珍しい地名」には『スウェーデンヒルズ』や『戸来(へらい)』『上町A・B・C』など、「へえ!」と思うような例も紹介されていて、面白く読みました。
▼読み終わった本
*「楽譜と旅する男」
芦辺拓・著、光文社文庫
新刊で購入。
存在しない、あるいは入手困難と思われる楽譜をめぐる不思議な物語を集めた短編集。
オーストリアから中国まで、世界各国を舞台にしています。
音楽に興味のある人にオススメです。
▼読み終わった本
*「一億円のさようなら」
白石一文・著、徳間文庫
コンビニで新刊で購入。
妻が莫大な遺産を相続していることを偶然知った中年男性を主人公にした物語。
その遺産の一部である一億円を突然渡されたこの男性が、家族や職場(会社)での勢力争いなどから逃れようとして福岡から金沢に移り住んだところで、子供時代に遡る秘密も絡んで、思わぬ展開が待ち受けています。
なかなか面白い本でした。
▼読み終わった本
*「屋上のテロリスト」
知念実希人・著、光文社文庫
コンビニで新刊で購入。
著者の知念氏は、医師として働きながら小説をものしているとのこと。
最近では新型コロナウイルスに関しSNSで情報を発信していて、それで名前を知っていたので、この本を手に取りました。
中身は「第二次大戦後に(朝鮮半島のように)分断国家になった日本」を舞台に、統一への動きを後押ししようと女子高校生と同級生の男子生徒が『活躍』するというお話です。
まあ、もちろん荒唐無稽とも思える部分もあるんですが、娯楽小説としては十分楽しめました。
▼読み終わった本
*「トリガール!」
中村航・著、角川文庫
新刊で購入。
元々は2012年に出版され、14年に文庫化されたもので、2017年には映画も公開されています。
「鳥人間コンテスト」に出場する工業大学の人力飛行機サークルを舞台にした物語。
その気もなかったのにサークルに入って、人力飛行機の「漕ぎ手」(自転車のようにペダルを回す役)になった女の子が主人公です。
なかなか面白くて、あっという間に(半日ほどで)読み終わりました。
▼読み終わった本
*「夏休み」
中村航・著、集英社文庫
同じ著者の短い小説。(2011年刊)
こちらは古書店で買いました。
2組の夫婦をめぐる物語。
「え?」と思わせるようなちょっとしたエピソードが出てきて、こちらもあっという間に読み終わりました。
人物描写が巧みなんでしょうね。
「ことばでたどる日本の歴史 幕末・明治・大正篇」「屋上のテロリスト」「一億円のさようなら」=購入した本(2021.08) [読書]
「購入した本」リスト(備忘録)、2021年8月分です。
珍しく小説を買いました。
▽購入した本
*「ことばでたどる日本の歴史 幕末・明治・大正篇」
今野真二・著、河出ブックス
▽購入した本
*「屋上のテロリスト」
知念実希人・著、光文社文庫
▽購入した本
*「一億円のさようなら」
白石一文・著、徳間文庫
珍しく小説を買いました。
▽購入した本
*「ことばでたどる日本の歴史 幕末・明治・大正篇」
今野真二・著、河出ブックス
▽購入した本
*「屋上のテロリスト」
知念実希人・著、光文社文庫
▽購入した本
*「一億円のさようなら」
白石一文・著、徳間文庫
「教科書には載っていない!戦前の日本」「明治の音」「日本人とユダヤ人」=読み終わった本(2021.07) [読書]
「読み終わった本」リスト(備忘録)、2021年7月分です。
考えて見たら4冊とも古書店で購入したものでした。
(新刊よりも古書をたくさん買っているのでこうなりますね…。)
▼読み終わった本
*「教科書には載っていない!戦前の日本」
武田知弘・著、彩図社
古書店で購入。
「不思議の国『戦前の日本』」「本当は凄い!戦前の日本」「古くて新しい戦前の暮らし」「熱く迷走する戦前の日本」の4つの章に分かれています。
「戦前にも高度経済成長があった」とか、「サラリーマンはエリートだった!?」など興味深いエピソード満載でした。
▼読み終わった本
*「明治の音―西洋人が聴いた近代日本」
内藤高・著、中公新書
こちらも古書。
幕末〜明治に来日した外国人が、旅行記や日記、本国への港北などに残した日本で耳にした音についての本。
三味線や下駄の音、人々の話し声などについて、違和感を感じながらも時を経るにつれて反応が変化したようです。
現在開催中の東京オリンピックでも、福島での女子ソフトボールなどでセミの声が響いていて、外国人にとって印象的だったようですが、明治に来日した人たちにとっても、セミの声は記憶に残るものだったようです。
▼読み終わった本
*「カタカナことば―日本に帰化した外国語」
深尾凱子・著、サイマル出版会
これもまた古書、1979年(42年前)に刊行された本です。
著者は読売新聞の女性記者だそうです。
「まえがき」に「『カタカナで書かれた言葉はすなわち外国語ではない。カタカナになった瞬間から日本語である』という教訓は、新聞社に入社早々たたきこまれたのでした。」とあります。
この点、私も同感です。
▼読み終わった本
*「日本人とユダヤ人」
イザヤ・ベンダサン著、角川文庫
これまた古書店で購入しました。
みなさんご存知、在日ユダヤ人、イザヤ・ベンダサンこと山本七平氏が1970年に出した本。
実に半世紀以上前です。
もちろん若い頃に読んだことがありますが、コーヒー1杯より安い価格で棚に並んでいるのを見て、手を出さずには入られませんでした。
内容についての説明の必要はないと思いますが、「日本人は水と安全はタダだと思っている」とか「日本人は『日本教』の信者である」など、50年近く前に読んで今でも覚えている内容ばかりで、改めていろいろと考えさせられました。
考えて見たら4冊とも古書店で購入したものでした。
(新刊よりも古書をたくさん買っているのでこうなりますね…。)
▼読み終わった本
*「教科書には載っていない!戦前の日本」
武田知弘・著、彩図社
古書店で購入。
「不思議の国『戦前の日本』」「本当は凄い!戦前の日本」「古くて新しい戦前の暮らし」「熱く迷走する戦前の日本」の4つの章に分かれています。
「戦前にも高度経済成長があった」とか、「サラリーマンはエリートだった!?」など興味深いエピソード満載でした。
▼読み終わった本
*「明治の音―西洋人が聴いた近代日本」
内藤高・著、中公新書
こちらも古書。
幕末〜明治に来日した外国人が、旅行記や日記、本国への港北などに残した日本で耳にした音についての本。
三味線や下駄の音、人々の話し声などについて、違和感を感じながらも時を経るにつれて反応が変化したようです。
現在開催中の東京オリンピックでも、福島での女子ソフトボールなどでセミの声が響いていて、外国人にとって印象的だったようですが、明治に来日した人たちにとっても、セミの声は記憶に残るものだったようです。
▼読み終わった本
*「カタカナことば―日本に帰化した外国語」
深尾凱子・著、サイマル出版会
これもまた古書、1979年(42年前)に刊行された本です。
著者は読売新聞の女性記者だそうです。
「まえがき」に「『カタカナで書かれた言葉はすなわち外国語ではない。カタカナになった瞬間から日本語である』という教訓は、新聞社に入社早々たたきこまれたのでした。」とあります。
この点、私も同感です。
▼読み終わった本
*「日本人とユダヤ人」
イザヤ・ベンダサン著、角川文庫
これまた古書店で購入しました。
みなさんご存知、在日ユダヤ人、イザヤ・ベンダサンこと山本七平氏が1970年に出した本。
実に半世紀以上前です。
もちろん若い頃に読んだことがありますが、コーヒー1杯より安い価格で棚に並んでいるのを見て、手を出さずには入られませんでした。
内容についての説明の必要はないと思いますが、「日本人は水と安全はタダだと思っている」とか「日本人は『日本教』の信者である」など、50年近く前に読んで今でも覚えている内容ばかりで、改めていろいろと考えさせられました。
「人間ベートーヴェン」「小さな時刻表2021年夏号」=購入した本(2021.07) [読書]
「ハングルの愉快な迷宮」「西洋音楽の正体」「ヨハン・シュトラウス」=読み終わった本(2021.06) [読書]
「読み終わった本」リスト(備忘録)、2021年6月分です。
今回、3冊中2冊が古書店で買ったもの。
こんなに勉強になって、楽しめて、時間も潰れるものが(本によっては)100円とか200円で購入できるというのは、抜群のコストパフォーマンスだと、改めて思います。
▼読み終わった本
*「ハングルの愉快な迷宮」
戸田郁子・著、講談社+α文庫
古書店で購入した本。
筆者は韓国人男性と結婚した女性で、帯の『宣伝文』によると「(韓国語)学習歴30年」とのこと。
もちろん言葉だけではなく、韓国における家族関係のあり方や日韓の文化の違いなどが具体例・体験を交えて説明されていて、とても面白く読みました。
ちなみに、私自身は約35年前、住んでいた神戸で韓国語の教室に数カ月だけですが通ったことがあって、ハングルはなんとか読むことができます。
で、この本の最大の問題点は、タイトルで「ハングル」を「韓国語」という意味で使っていること。
以前も書いたことがあるんですが、「ハングル」は文字の名前なので、「『日本語』という代わりに『ひらがな』あるいは『カタカナ』という言葉を使っている」のと同じです。
そもそもはNHKが語学講座で「韓国語」と言いたくなかったために「ハングル講座」と言ったのが発端。
この本の場合、さすがに筆者ではなく出版社がつけたタイトルなんでしょうね…。
▼読み終わった本
*「西洋音楽の正体 調と和声の不思議を探る」
伊藤友計・著、講談社選書メチエ
音楽をかじった人間として「読んだ方がいいのかな…?」と思って買ったんですが、なかなか難しい本でした。
帯には「『心地よい響き』はどこから来たのか」「自然のなかにドレミファソラシドはあるのか」などと書かれています。
現在では、(西洋)音楽の中心は「長調・短調」という調性とそれに基づく音階なわけですが、これはたかだかここ300〜400年のこと。
クラシック音楽だけではなく、ジャズや(日本を含む)世界中のポピュラーミュージックもこのシステムが基礎となっています。
こうした流れ・歴史が整理されていて、勉強にはなりました。
▼読み終わった本
*「ヨハン・シュトラウス―ワルツ王と落日のウィーン」
小宮正安・著、中公新書
この本も古書店で購入。
ヨハン・シュトラウス2世の作品はよく知られていますが、音楽以外の部分、特に当時の政治・社会情勢との関わりはあまり知らなかったので、とても勉強になりました。
もちろんシュトラウスだけではないんですが、音楽家(芸術家)とその作品は、社会と切り離しては考えられないのだろうなと、改めて感じさせられました。
今回、3冊中2冊が古書店で買ったもの。
こんなに勉強になって、楽しめて、時間も潰れるものが(本によっては)100円とか200円で購入できるというのは、抜群のコストパフォーマンスだと、改めて思います。
▼読み終わった本
*「ハングルの愉快な迷宮」
戸田郁子・著、講談社+α文庫
古書店で購入した本。
筆者は韓国人男性と結婚した女性で、帯の『宣伝文』によると「(韓国語)学習歴30年」とのこと。
もちろん言葉だけではなく、韓国における家族関係のあり方や日韓の文化の違いなどが具体例・体験を交えて説明されていて、とても面白く読みました。
ちなみに、私自身は約35年前、住んでいた神戸で韓国語の教室に数カ月だけですが通ったことがあって、ハングルはなんとか読むことができます。
で、この本の最大の問題点は、タイトルで「ハングル」を「韓国語」という意味で使っていること。
以前も書いたことがあるんですが、「ハングル」は文字の名前なので、「『日本語』という代わりに『ひらがな』あるいは『カタカナ』という言葉を使っている」のと同じです。
そもそもはNHKが語学講座で「韓国語」と言いたくなかったために「ハングル講座」と言ったのが発端。
この本の場合、さすがに筆者ではなく出版社がつけたタイトルなんでしょうね…。
▼読み終わった本
*「西洋音楽の正体 調と和声の不思議を探る」
伊藤友計・著、講談社選書メチエ
音楽をかじった人間として「読んだ方がいいのかな…?」と思って買ったんですが、なかなか難しい本でした。
帯には「『心地よい響き』はどこから来たのか」「自然のなかにドレミファソラシドはあるのか」などと書かれています。
現在では、(西洋)音楽の中心は「長調・短調」という調性とそれに基づく音階なわけですが、これはたかだかここ300〜400年のこと。
クラシック音楽だけではなく、ジャズや(日本を含む)世界中のポピュラーミュージックもこのシステムが基礎となっています。
こうした流れ・歴史が整理されていて、勉強にはなりました。
▼読み終わった本
*「ヨハン・シュトラウス―ワルツ王と落日のウィーン」
小宮正安・著、中公新書
この本も古書店で購入。
ヨハン・シュトラウス2世の作品はよく知られていますが、音楽以外の部分、特に当時の政治・社会情勢との関わりはあまり知らなかったので、とても勉強になりました。
もちろんシュトラウスだけではないんですが、音楽家(芸術家)とその作品は、社会と切り離しては考えられないのだろうなと、改めて感じさせられました。
「カレーライスの誕生」=購入した本(2021.06) [読書]
「ニッポンの『ざんねん』な鉄道」「ネットは社会を分断しない」「『広辞苑』をよむ」=読み終わった本(2021.05) [読書]
「読み終わった本」リスト(備忘録)、2021年5月分です。
引き続き、普通の本を読む時間があまりありませんでした。
▼読み終わった本
*「ニッポンの『ざんねん』な鉄道」
野田隆・著、光文社知恵の森文庫
ビジネス誌のウェブサイトに連載されたコラムの文庫化だそうです。
前半はタイトル通り「残念」な路線や駅が取り上げられていますが、第三章には「やっぱりこれだけは乗っておきたい 日本の鉄道ベスト10」が取り上げられており、「残念ではない」エピソードもあります。
読み物としては手軽ななかなか面白いと思いました。
▼読み終わった本
*「ネットは社会を分断しない」
田中辰雄&浜屋敏・著、角川新書
「インターネットの利用者が増えることによって、人々の主張が過激化し、社会の分断が起きている」という説について、学術的に反論する本といっていいと思います。
帯にある紹介文には、「過激化しているのは、ネットを使わないはずの高齢者」「ネット上の投稿の約半数は、0.23%の人が書き込んでいる」「接する論客の約4割は、自分と反対の政治傾向の人」とあります。
気になった方は、読んでみてください。
(著者の1人は知人ですが、宣伝を頼まれたわけではありません。)
▼読み終わった本
*「『広辞苑』をよむ」
今野真二・著、岩波新書
「広辞苑をよむ」という本は以前も出ていたようです。
私の手元には広辞苑は第二版補訂版(1976年)があります。
この本を読んで、最新版の第七版を購入しようかと考え始めました。
たぶんCD-ROM版かアプリになると思いますが…。
引き続き、普通の本を読む時間があまりありませんでした。
▼読み終わった本
*「ニッポンの『ざんねん』な鉄道」
野田隆・著、光文社知恵の森文庫
ビジネス誌のウェブサイトに連載されたコラムの文庫化だそうです。
前半はタイトル通り「残念」な路線や駅が取り上げられていますが、第三章には「やっぱりこれだけは乗っておきたい 日本の鉄道ベスト10」が取り上げられており、「残念ではない」エピソードもあります。
読み物としては手軽ななかなか面白いと思いました。
▼読み終わった本
*「ネットは社会を分断しない」
田中辰雄&浜屋敏・著、角川新書
「インターネットの利用者が増えることによって、人々の主張が過激化し、社会の分断が起きている」という説について、学術的に反論する本といっていいと思います。
帯にある紹介文には、「過激化しているのは、ネットを使わないはずの高齢者」「ネット上の投稿の約半数は、0.23%の人が書き込んでいる」「接する論客の約4割は、自分と反対の政治傾向の人」とあります。
気になった方は、読んでみてください。
(著者の1人は知人ですが、宣伝を頼まれたわけではありません。)
▼読み終わった本
*「『広辞苑』をよむ」
今野真二・著、岩波新書
「広辞苑をよむ」という本は以前も出ていたようです。
私の手元には広辞苑は第二版補訂版(1976年)があります。
この本を読んで、最新版の第七版を購入しようかと考え始めました。
たぶんCD-ROM版かアプリになると思いますが…。
「モダン語の世界へ」=購入した本(2021.05) [読書]
「ホンモノの日本語を話していますか?」「字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ」「地名崩壊」=読み終わった本(2021.04) [読書]
「読み終わった本」リスト(備忘録)、2021年4月分です。
とても忙しくて、普通の本を読む時間があまりありませんでした。
▼読み終わった本
*「ホンモノの日本語を話していますか?」
金田一春彦・著、角川oneテーマ21
ご存知、日本語学者の家系である金田一家、春彦氏の平易な本。
古書店で購入したもので、2001年の出版ですが、内容は雑誌に掲載したものに加筆したりしているようです。
「日本語はこういう言葉だ」というような話がいろいろ掲載されていて、いささか時代を感じるものもありましたが、楽しんで読みました。
▼読み終わった本
*「字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ」
太田直子・著、光文社新書
こちらも古書店で購入。
映画のセリフを画面上に日本語で入れる「字幕」の翻訳を手がける自称「映画界の影武者」の著書。
期待以上に面白い本でした。
字幕の特徴や、字幕翻訳者の苦労話などが満載で、しかもいろいろとユーモアを交えて説明してあります。
映画に限らず、いろんな制作系の仕事に共通するであろう問題もたくさんあって、身につまされました。
▼読み終わった本
*「地名崩壊」
今尾恵介・著、角川新書
おなじみ地名・地図の専門家にして、アマチュア音楽家でもある今尾氏の本。
章立ては以下のようになっています。
第1章 地名の成り立ちと由来
第2章 駅名と地名の関係
第3章 キラキラ地名が生まれる事情
第4章 土地の安全性が地名でわかるのか
第5章 地名を崩壊させないために
各章のタイトルからもお分かりかと思いますが、昨今の自治体名の安易な変更や命名などに警鐘を鳴らしています。
いったん決めた地名や自治体名を変更するのは簡単ではなく、将来に禍根を残しかねないわけで、地名のことをよく分かっていない政治家が「折衷案」で決めたりするのは、確かに困ったものだと思います。
とても忙しくて、普通の本を読む時間があまりありませんでした。
▼読み終わった本
*「ホンモノの日本語を話していますか?」
金田一春彦・著、角川oneテーマ21
ご存知、日本語学者の家系である金田一家、春彦氏の平易な本。
古書店で購入したもので、2001年の出版ですが、内容は雑誌に掲載したものに加筆したりしているようです。
「日本語はこういう言葉だ」というような話がいろいろ掲載されていて、いささか時代を感じるものもありましたが、楽しんで読みました。
▼読み終わった本
*「字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ」
太田直子・著、光文社新書
こちらも古書店で購入。
映画のセリフを画面上に日本語で入れる「字幕」の翻訳を手がける自称「映画界の影武者」の著書。
期待以上に面白い本でした。
字幕の特徴や、字幕翻訳者の苦労話などが満載で、しかもいろいろとユーモアを交えて説明してあります。
映画に限らず、いろんな制作系の仕事に共通するであろう問題もたくさんあって、身につまされました。
▼読み終わった本
*「地名崩壊」
今尾恵介・著、角川新書
おなじみ地名・地図の専門家にして、アマチュア音楽家でもある今尾氏の本。
章立ては以下のようになっています。
第1章 地名の成り立ちと由来
第2章 駅名と地名の関係
第3章 キラキラ地名が生まれる事情
第4章 土地の安全性が地名でわかるのか
第5章 地名を崩壊させないために
各章のタイトルからもお分かりかと思いますが、昨今の自治体名の安易な変更や命名などに警鐘を鳴らしています。
いったん決めた地名や自治体名を変更するのは簡単ではなく、将来に禍根を残しかねないわけで、地名のことをよく分かっていない政治家が「折衷案」で決めたりするのは、確かに困ったものだと思います。